5つの正直とは?

目指し、根ざすのは、透明でまっすぐなカービジネス

包み隠さない明朗価格

いいものにはいい値段がつき、悪いものには悪い値段がつく。つまり安い中古車には、安いだけの理由があるということです。当店では「この車は事故歴車だから安いんですよ」、「粗悪車だから安いんですよ」と正直に説明していきます。「だから決して不透明に怪しい車ではないんですよ」ということを、お客様に伝えているんです。でも他店では「ウチでは安い車しか扱いません。とにかく安いんです!」という調子で、マイナス面にあたる説明は一切せずに売っているところが多過ぎる。購入した数年後、下取りに出したら事故歴車や水没車、やたら溶接だらけの車だとわかった、というのはよく聞く話です。ユーザーは、その時点で車選びに失敗したことに気づく。そんな思いはしてほしくないんです。

ねじ曲がった売り手への反発

私自身、この仕事を始める前に、車選び、業者選びで失敗した経験があるんです。10数年前のこと。某大手中古車屋で購入したんですが、まず走行距離の不正に気づき店側に問いただしたら「そういった事実はない」の一点張り。もう一つの大きな問題は、まっすぐ走らないこと! 最初は単純にタイヤの摩耗のせいかと思い、交換しましたが全然ダメ。仕方なく近所の修理工場に持っていったら、一言「この車、事故車だよ」と。根本的に車のフレームそのものが曲がっているので直しようがないと言われました。その苦い経験があるので、自分が提供する側になったら、お客様にはハッキリと価格の理由を話し、状態の説明をきちんと行なおうと誓ったんです。納得しての売り買いであれば、買う方も売る方も、お互いに気持ちよくやりとりができますからね。

車屋としてのあくなき向上意欲

そもそも、同じようなタイプでも、全く同じ価格に算出される中古車はないんです。グレードも走行距離も年式も違うわけですから。装備や外見のキズ、内部の状態によっても評価は変わります。当店では、この評価の車なら値段はこうなります、このキズがあるからこの値段になるんです、と、お客様にわかりやすく伝えるよう心がけています。ただ、他所がしっかり説明をしないのは、知識不足のためというケースも多いんですね。しないのではなく、説明できない。私たちは車に関する勉強を、怠らずに続けています。でも、これって、車屋として当たり前のことなんですよ。

車の中は価値ある学び舎

勉強の一環として、私たちは、車のルームクリーニングを外部業者に頼らず自分たちで行ないます。室内をくまなく清掃することで、いろんなことが理解できる。「このグレードにはこの機能がついているんだ」、「このオプションはこういう性能なんだ」というように実地で体感する絶好の機会。エンジンも洗いますので、いじりながら覚えていける。それらは全て経験に基づいた知識となりますから、お客様にもしっかり説明できるようになるんですね。当社はカーベルに加盟し、新車の販売にも力を入れています。全てのメーカーを扱っていますから、新車に対しての知識も豊富です。各メーカーからお誘いいただく勉強会にも、スタッフが喜んで参加しています。私自身も車が好きなので積極的に顔を出すようにしているんです 。

ガラス張りの正当な商売をしたい

車屋は独立しやすい業種です。車は市場的に扱いやすい商品なため、安易に独立できる傾向があります。一人で経営しているところも多く、その形であればいろんな意味で身軽に商売ができる。言い換えれば不正をしやすい側面もあるために、無責任な販売店も少なくありません。ですから、価格設定にしても、相場は50万円なのに「人気の車種だから100万円で売っちまうべ」というような不透明価格も横行するわけです。しっかりしたスタンスの組織であれば、1台の車に対し利益を乗せる基準がしっかりしているので、不透明な利益を生み出すバラツキを抑えられるはずなんですよ。でも悲しいかな、そうじゃない業者が多い。店側が不当ともいえる利益を得ている時は、つまりお客様が損をしているということ。私たちとしては、そういう商売は絶対にしたくないんですよね。

店長・鈴木光男 談